ドライバーで飛距離を伸ばすには、自分に適したスイング速度とスイング軌道、そして、自分のスイングに適したゴルフクラブを使うことが重要です。
そして、ゴルフクラブにはその特性を決める要素がいくつかあり、中でも飛距離を伸ばすには低重心設計が良いとされています。
本記事では、低重心設計の働き、そして、何故、飛距離アップに有利かについて解説します。ご自分のスイングや弾道にとっては低重心・高重心のどちらが良いか確認してみてください。
目次
ゴルフクラブの重心とは?
ドライバーのヘッドは、正面が平面で、後方は徐々に狭まっていく独特な形状をしています。そして、パーシモンの時代と違って、最近のチタン・カーボンのヘッドは空洞構造のため、タングステンなどの高比重金属をヘッド内部に自由に配置することで、重心位置を上下前後左右の3次元的に調整しています。重心とは重さの中心位置を表し、その位置はモデルにより異なっています。
ゴルフクラブでは、様々な重心を表す項目があり、どれもクラブの特性を知る上でとても重要な値です。
- 重心(重心点・重心位置)
重さの中心位置。 - 重心高
重心からフェース面への垂線の交わる点の高さ。重心が高いか低いかを表す。 - 重心深度
重心からフェース面への垂線の長さ。重心がフェース面からどれぐらい深いか(浅いか)を表す。 - 重心距離
シャフト軸の延長線に、フェース面上の重心点から引いた垂線の長さ。重心がシャフト軸からどれぐらい近いか(遠いか)を表す。 - 重心角
ゴルフクラブを机の上にシャフトだけ接して置いた時に、ヘッドが頃っと回転して、フェース面が垂直方向から傾いた角度。
低重心・高重心の弾道への影響は?
ゴルフクラブの説明の中で、低重心という言葉を良く見聞きされると思います。低重心のドライバーとは、重心位置、つまりフェース面上の芯の位置が低いものを言い、反対に高重心のドライバーとは、フェース面上の芯の位置が高いものを言います。
低重心・高重心は、別の言い方をすればフェース面上の芯が低いか高いかとも言えます。そして、実際のボールの打点が、フェース面上の芯より上か下かによって、弾道に大きな違いが生まれます。
低重心、つまり芯が低い位置の場合、芯より上側のメール面が広くなりますので、芯より上でボールを捉えやすくなります。反対に、高重心、つまり芯が高い位置の場合、芯より下側のフェース面が広くなりますので、芯より下でボールを捉えやすくなります。
それでは、芯より上でボール捉えた場合(低重心)、下でボールを捉えた場合(高重心)について、弾道の違いを解説します。
芯より上でボールを捉えた弾道(低重心クラブで多く発生)
低重心のドライバーは、フェース面上で重心位置が低いところにありますので、重心よりも上でボールをインパクトしやすいのが特徴です。
重心より上でインパクトすることで、ギア効果によりフェースはロフトアップの方向、ボールはトップスピンを生む方向に作用します。実際にはボールはバックスピンが掛かりますので、トップ回転を生む効果によりバックスピン量が抑えられる形となります。
弾道はヘッドのロフトアップ効果により打ち出しが高く、バックスピンが抑えられた、所謂、低スピンとなります。
ドライバーショットで飛距離を伸ばすには、ある程度の打ち出し角があり、バックスピンが多過ぎないことが良いとされていますので、低重心のドライバーは標準的なゴルファーにとって、飛距離アップに効果的です。
ここがPOINT!
- 低重心ドライバーは、打ち出しが高く、スピン量が抑えられる
芯より下でボールを捉えた弾道(高重心クラブで多く発生)
高重心のドライバーでは、先ほどの低重心とは反対の現象が発生します。フェース面上での重心位置が高いため、重心よりも下側でボールをインパクトしやすいのが特徴です。
重心より下でインパクトすることで、ギア効果によりフェースはロフトダウンの方向、ボールはバックスピンを生む方向に作用します。
弾道はヘッドのロフダウン効果により打ち出しが低く抑えられます。そして、ボールスピンはバックスピンが助長される方向に作用しますので、重心点や重心より上で捉えた時よりも、スピン量は多くなります。
一般的にドライバーショットではバックスピン量が多すぎるケースが大半のため、市販のクラブは低スピンを謳うモデルが多くなっています。スピン量が多いゴルファーにとっては、高重心モデルを使うと更に吹き上がってしまい、飛距離ロスがより大きくなってしまいます。
高重心のドライバーは、打ち出しが高すぎる人、スピン量が少な過ぎる人に向いています。
ここがPOINT!
- 高重心ドライバーは、打ち出しが低く、スピン量が多くなる
まとめ
重心位置による弾道の違い、そして、低重心が飛距離アップに効果的な理由について解説しました。
低重心が合うかどうかは、現在の自分の弾道がどうかによります。打ち出しが高いのか低いのか、バックスピンが多いのか少ないのか、自分の弾道を把握した上で、クラブの重心高について見なおしてみましょう。